双眼鏡大国は、日本とドイツの二強でしたが、その生産は、他の工業製品と同じく中国を代表とする第三国に移って久しいのです。
我々が言う中国製の双眼鏡には概ね二種類あります。一つは、日本のメーカー品で、生産が中国というもの。「ニコンの中国製」「コーワの中国製」「ツァイスの中国製」と言った感じです。基本的な管理は、日本の基準に従いますので、それほど悪いものはないのが普通。
もう一つが、中国企業が作った中国製の双眼鏡。これは、正直言葉に詰まるようなものばかりで、いわゆる「はずれ」で手を出してはいけなかった双眼鏡の数々。
しかし、それも今は昔。今は、日本産をしのぐ技術を持ったメーカーが沢山出てきているのです。
賞月観星 KING 16×70ED
ここの社長さん、中国出身の方ですが、日本が好きすぎて、帰化なさって今は日本のお方に。その賞月さんが投入している双眼鏡、どれもこれも安くて性能が良いのですが、特にこのKINGシリーズは、はっきりと日本のコピー製品です(赤いラインなんかが、最初のニコンSPそのもの。。。。)が、もうすでにコピーとは言えず、色々な点で負けている所もあります。
いわゆる産業の空洞化。日本ではお家芸であった双眼鏡も、すでに海外にラインを移して久しく、すでに職人は引退し、技術的に失われたものも多々あります。安さを求めて海外にその財産を移し、結果としてその海外勢に食われてしまい、海外からしかものが買えなくなっているのはなんとも言えない皮肉のイコン的な存在。
その性能、光学性能は勿論、使い勝手、覗きやすさ、すべてが満足いくもの。なんと言っても、これだけ大型で、高倍率ならそれこそあらも見えてくるものですが、昼間の光線が強い状況でも、鑑賞に余裕で堪えられる性能。昼も夜も私のメインの機材です。
もう後10年もすれば、「日本も作ってたの?」と言われる時代がやってくるでしょうね。
しかし、ここの双眼鏡はいくつか見ましたがどれも凄い・・・まだ超一流、とは言えませんが、及第点は余裕で超えているものばかり。新規日本の企業で中国製、と言う新しい立ち位置の企業に注目です。
posted by 高知学園 高知高等学校 天文部 at 00:00| 高知 ☁|
日記
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